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2015年2月14日 (土)

ヤマドリのゆめ 攻・防

  おじいさんは自宅の裏斜面にある畑にいた。

5反ほどの畑にはまだ作物はなかった。おじいさんはその畑の周りを囲う電作の

修理をしていた。電作は5段あり随分と厳重だ。僕は勇気を出した。

「おじいさん、なんで電作張ったの?」
「おぅ、きんなのヤマドリかぁ、こりゃぁな、サル除けだぁ。」
「サル入らない?」
「奴らは頭良いから一度入り方ぁ覚えりゃーこんなん効きゃしねー。
サルも居りゃ、イノシシも居るし、シカだって居るしな。
3段が、4段になって5段になったんさぁ。」
「それは大変なことだね」
「たいした物、作ってる訳じゃねーけど、食べられちまうのも悔しーからな。」
「今度は何を作るの?」
「そぉさなぁ、インゲンに、ジャガイモ、トマトにキュウリ、普通の野菜さぁ。
カボチャとサツマイモも作ってるよ。奴らは熟れ頃知ってるからなー。
やられちまえば売れなくならーな。」
「山歩き回るより楽に餌が取れるからね。絶対こっちに来るよね。」
「餌付けしてるようなもんだいなぁ。」
「有難いことです」
「ほーれ、あそこの川見てみな、今日はカワウの餌付けしてるよ。」
目をやるとマスとヤマメの河川放流をしていた。放流された魚たちは流れのハジで
群れになったまま泳いでいた。
「ありゃー釣られる前にカワウの餌だ!」
おじいさんは煙草に火を着け、僕は目を覚ました。

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