« ヤマドリのゆめ 季節の味覚 春 | トップページ | ヤマドリのゆめ 決意 »

2015年2月18日 (水)

ヤマドリのゆめ むかし話

   僕はおじいさんといた。

「あっ、これはゆめの中だ!」
おじいさんは僕にこんな話をした。
「俺のオヤジが言ってたけど、この山のそのまた向こうの山にある沢をずっと
奥まで行ったところに白いヤマドリが住んでいるんだと。」
「ここから遠く?」
「どんなかぁー分かんねー、それにその沢は幾つも枝沢があるが、どの沢かは
オラー分かんねーなぁー。」
「何度か見たの?」
「2度見たんだとさ。1度目はオヤジの犬が沢の詰まりのところから出したんだ。
でっけー羽音がして沢っ下りして来たけど構える間も無くてなー、真っ白だったんで
ビックリしたんだと。」
「撃たれなかったんだね。」
「2度目もやっぱり犬が出してなー、そん時は赤いヤマが下ってきたんだよ。
オヤジが構えて引き金に指を付けた時に右からその白い奴が横切ったんだと。」
「それで?」
「どっちも獲れなかったんだと。それっきりさぁ。その後何度も行ったらしい
けどな。」
「まだ生きてるかな?」
「さぁな、あれからだいぶ経ってるからな。そいつは生きてねーだんべー。
でもその沢筋には結構鳥がいたみてぇだから血は残ってんじゃなかんベぇか。
あんま人も入んねーだんべーし。」

« ヤマドリのゆめ 季節の味覚 春 | トップページ | ヤマドリのゆめ 決意 »

ヤマドリのゆめ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/112848/58983073

この記事へのトラックバック一覧です: ヤマドリのゆめ むかし話:

« ヤマドリのゆめ 季節の味覚 春 | トップページ | ヤマドリのゆめ 決意 »